FEM(有限要素法)解析は、試作前に設計の妥当性を確認するための有効な手段です。ただし、解析結果をそのまま信頼して量産に進むのは危険です。このコラムでは、Mesh Panelcoreが実際のプロジェクトでFEM解析をどのように使い、どこに限界があるかを正直に書きます。

FEM解析で何がわかり、何がわからないか

FEM解析で信頼性高く予測できるのは、線形弾性域での応力分布と変形量です。つまり、「この荷重条件でパネルがどこに最大応力を持ち、どのくらい変形するか」は精度よく計算できます。一方で、接合部の剥離挙動、疲労寿命、衝撃荷重下の動的応答は、モデル化の仮定が多く、実測との乖離が大きくなりやすい領域です。Mesh Panelcoreでは、これらの項目については解析結果を参考値として扱い、必ず試作品での実測で確認しています。

境界条件の設定が解析精度を左右する

FEM解析で最も重要なのは、境界条件(支持条件と荷重条件)の設定です。「四辺固定支持」と「四辺単純支持」では、同じ荷重でも最大応力が2倍以上変わることがあります。実際の取り付け条件を正確にモデル化するために、Mesh Panelcoreでは設計初期段階でお客様の取り付け方法を詳しくヒアリングします。図面がない段階でも、「どこに固定するか」「どの方向から荷重がかかるか」が決まれば解析を始められます。

実測との照合をどう行うか

Mesh Panelcoreでは、試作品に対して3点曲げ試験を実施し、FEM解析の予測値と実測値を照合します。許容誤差は±10%を目標にしています。誤差がこれを超えた場合は、材料定数(ヤング率、ポアソン比)の見直しや、接合部のモデル化方法を修正してから再解析します。この照合プロセスを経ることで、量産品の品質予測精度が上がります。

解析ソフトと社内の運用体制

Mesh Panelcoreが使用している解析ソフトはAnsys Mechanicalです。解析担当は設計チームの3名全員が操作できますが、最終的な解析条件の設定と結果の判断は田中 誠一認します。解析報告書は日本語で作成し、境界条件の設定根拠、メッシュサイズの選定理由、実測との照合結果を含めます。報告書は設計変更の社内承認資料として使えるレベルを目標にしています。

FEM解析の受託サービスについては、よくある質問をまとめたページもご参照ください。既存設計の強度評価から新規設計の最適化まで、150,000円より対応しています。